3つの輪

『最強の用土作りプロジェクト』の基本は3つの輪にあります。

微生物と根、肥料(堆肥)の3つの輪が重なったところに「土」があります。
まずは、それぞれの輪について説明していきます。

①微生物

『最強の用土作りプロジェクト』の最大のポイントとなる輪です。
鉢という限られた空間の中で、この微生物を定着させて増殖させなければなりません。
微生物も生物ですので、快適な棲家と食べ物が必要です。
そして温度や湿度も快適に近づけなければなりません。

有機物をたっぷりと含む土は、微生物にとって快適な棲家と食べ物になります。
温度は20~40℃で、少し湿りっけがあると活動が活発になります。

微生物の中でも重要視すべきものは菌根菌です。

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今現在使用している微生物資材は
「有機元肥」「トーマスくん」「マイコジェル」
の3種類です。

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どの微生物資材のどの菌が月下美人の根に宿るのかは分かりません。
とりあえず様子を見ながら順番に接種していくしかありません。

②肥料・堆肥

植物の養分でもあり、微生物の食べ物でもあります。
株の生長の様子を見ながら、有機肥料や化学肥料を使い分けて与えます。

有機肥料が良くて化学肥料が悪いというのは間違った考え方です。
化学肥料の単肥、特にチッ素肥料は適時適量を与えれば物凄い効果があります。

有機肥料や堆肥は微生物の食べ物となり、分解されて植物の吸収できる養分になります。
さらに土を活性化させますので、今まで植替え時に古い土は廃棄してましたが、使い回し出来るようになります。
これは只今、検証実験中です。

肥料・堆肥は根にも優しくなければなりません。
完熟、完全発酵した有機肥料や堆肥を使用します。

施肥量は今までの1/2程度(液肥は2倍に薄める)にします。
ですので肥料にかかる経費が減ります。
(余談ですが病害虫の被害も減りますので、薬剤費も減ります)
肥料を与えすぎると、根に微生物が定着しなくなります。

③根

根が元気で、新しい根がドンドン伸長して根毛がたくさん生えていなければ、微生物がいくら活躍しても効果が上がりません。

根の生長を促進させるふかふかで弱酸性の土にするための土壌改良材や発根を促進させる肥料分が必要です。
地中の見えない根が元気になれば、土の上の幹や葉、茎も元気になります。
根は植物の土台です。
土台がしっかりしていなければ超巨大輪の花を支えることができません。
必然的に花の咲かない株になってしまうのです。

根が元気だと、株は骨太となり超巨大輪の花をたくさん咲かせることができるのです。

「土」

微生物と肥料・堆肥、根の中心にあるのが「土」です。
3つの輪の架け橋となりバランスをとり、3つの輪が最高のパフォーマンスを発揮できるようにしなければなりません。
それを可能にするのが『最強の用土』です。

これはもう月下美人のジャンルだけではなく、園芸全般に関わることでもあります。
いままでの慣習的園芸の改革でもあります。

確かに化学肥料と殺虫剤、殺菌剤を多量に使えば、株はグイグイ育ち花を咲かせる驚きの効果があります。が、
2~3年後には病弱になり生長も鈍くなり害虫の被害も多くなります。
これを解決するために、さらに大量の肥料や薬剤を投入することになります。
そうするとさらに事態は悪化します。
まさに負のスパイラルにハマってしまいます。

これは実際に私もハマった罠です。
株の調子が悪くなると最新の肥料や薬剤を探し回ってました。
だんだんと高価な効きそうなモノを物色するようになってきました。

超!高価な有機肥料を撒いても効果が出ないことに疑問を抱いて調べた結果、
「土壌微生物」に行き着きました。
化学の力ではなく、大自然の力を借りなければ負のスパイラルを脱出できないことに気づいたのです。

「土壌微生物」をこちらの味方にすれば、
肥効や耐病性が高くなるので、肥料や薬剤の使用を激減させることができます。
それでいて株が元気になり、リンの吸収率も高くなるので花を咲かせやすくなる。
室内栽培で問題となる日照不足や乾燥も「土壌微生物」が補ってくれます。
まさに「土壌微生物」は室内栽培の救世主です。

リサイクル

『最強の用土作りプロジェクト』の最終的なものはリサイクルです。

植替え時に廃棄していた古い用土をリサイクルする。というよりは、
微生物が住み着いた土は一生使える!

肥料もコーヒーかすや枯れ葉、花ガラ、剪定後の枝葉などの堆肥化。

すべて微生物の力を借りてのリサイクルです。
なんだか一昔前の農業に戻った感じです。