はじめに

市販の培養土や用土にも微生物は必ず生息しています。
風に乗ってきて、表土に着陸して定着し繁殖するものもいます。
そこで問題なのは、その微生物が根にとって有用なモノかどうかです。

重要なのは根と共生してくれる菌根菌であることです。
菌種によっては、根を死傷させるものもあり、逆に根に菌糸を消化されてしまうものもあります。

月下美人に有用な菌種を調べてみましたが、載っている文献や資料は見当たりません。が、
熱帯雨林に生息する植物は、微生物の多様性の中で生きている、ということが分かりました。

土に有用な微生物を定着させる確実な方法は、市販されている微生物資材を投入することです。
微生物資材とは、微生物を含む顆粒状の肥料や微生物が濃縮された液状のモノです。
『最強の用土作りプロジェクト』では3種類の微生物資材を使用しています。

微生物資材

①プロトリーフ 有機元肥「元肥の匠」 600g

実売価格:1,400円前後(税+送料込)

顆粒状で土に混ぜたり、表土に撒いて使う。
18種の菌根菌と6種の有用微生物が含有されている。

②トーマスくん「アープトーマスオルガ菌配合の特殊高濃度有機液体肥料」1L

実売価格:3,900円~6,100円(税+送料込)

濃縮液状タイプで100倍程度に希釈して使用する。
好気性及び嫌気性肥効を軸とした60種余りの微生物群が含有されている。

③ハイポネックス マイコジェル 250ml

実売価格:11,200円~12,900円(税+送料込)

濃縮ジェルタイプで10,000倍程度に希釈して使用する。
キミテック社の約90系統の豊富な菌種の中から、日本の風土に合った環境共生菌を採用。
(何種類の菌種が含有されているかは分からない。)

検証実験

どの微生物資材のどの菌が、月下美人に有用な菌根菌かは分かりません。
実生幼苗の歌麿呂美人に、
「有機元肥」➡「トーマスくん」➡「マイコジェル」の順に与えてみました。

25日が経ちましたが、

これが真実の結果です。
与えたものと与えないものの中で、一番生長に良いものを並べてみました。

とてもか弱い実生幼苗に3種類の微生物資材を与えてみましたが枯れることはありません。
それどころか、与えたものと与えなかったものの差がハッキリと確認できます。

微生物資材には肥料分が含まれているものがあります。
「それが効いたんじゃないの?」との疑問が湧いてきますが、
たとえ効果の原因が、肥料分であったとしても、菌種であったとしても、この効果はスゴいですよね。

与えたほうは、スリットから根が出てきてます。

凄まじい生長ぶりです。

よろしければYoutubeをご覧くださいね!

今度は、与えなかったものに1種類づつの微生物資材を与えてみます。
これで、どの微生物資材がより有用なのかがわかることでしょう。

今回の検証実験で言えることは、微生物資材はとても効果が高い。
ただし、微生物に快適な環境(用土や温度、湿度など)を整えてあげることが必要です。
ここらへんを追求しつつ検証実験を続けていきます。