肥料やけとは、多量の肥料成分によって根が害を来たし、最悪の場合には枯死する現象を言います。
植物の根と土中の水に溶けた肥料の間には浸透圧が生じます。
肥料は水に溶けるとイオン化します。
ここでは詳しい説明は省きますが、イオン化とは肥料が水に溶けた状態だと思ってください。
浸透とは、濃度の薄いイオン溶液と濃いイオン溶液が共存している場合、濃度を均一にしようという働きが生じてイオン濃度の薄い溶液が濃いほうへ移動する現象を言います。
その圧力が浸透圧なのです。
上の図のように,水はイオン濃度が薄い方から濃い方へ流れます。
漬け物はこの原理を利用しているのです。
植物の根は,この浸透圧を利用して水やイオン化した肥料を吸収するのです。
根の細胞のイオン濃度が根の回りの水分や養分のイオン濃度より濃ければ,能動的に根に水分や養分が取り込まれます。
そして,その水分や養分が浸透圧によって根の中心部へと運ばれていきます。
肥料を過剰に与えた場合、土の中の肥料の濃さを薄めようとする浸透圧の関係で根中の水分が土壌に流出し根がしなびてしまいます。
これが肥料やけの原因です。
植物が元気でない事を理由に、規定量以上の肥料を与え続けると植物は逆に枯れてしまうのです。
植物は栄養分を根に送り、根のイオン濃度を高めて水やイオン化した栄養を吸収しやすいようにしています。
このイオン濃度は植物により異なります。
液肥に植物別の希釈表が載っていますが、根のイオン濃度に合わせて希釈倍率が違います。
一般的に多肉植物やサボテンは最も高い希釈倍率になっています。
根のイオン濃度が低いということですね。
以下、私の個人的な実験結果です。====>
※マネはしないでくださいね。
月下美人の場合、元気のイイときは上の写真の液肥では、1000倍でもいけちゃいます!
通常は規定倍率の2000倍で与えています。
元気のないときは4000倍で様子をみます。
液肥は株の健康状態に合わせて濃度を変えて与えています。
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