植物に水やりをするときは、塩素(カルキ)抜きをした水道水を使うと良い!とされています。
ヒトが飲んで害がないのだから植物にも安心では?と思いますが、どうなんでしょうかね。
今回は、そんな水について考えてみます。
先に述べたように、水道水は殺菌するために塩素(カルキ)が入っていますよね。
まず、この塩素(カルキ)ですが、
日本では「水道法」によって、水の衛生上の安全を保つために塩素を入れることが定められています。
水の衛生上の安全を保つとは、主に「病原微生物の消毒」を目的としています。
ここで疑問なのが、「病原微生物の消毒」なんですよ。
塩素が病原微生物だけをピンポイントで消毒(殺菌)できるのか?ということです。
病原以外の微生物は殺さないのでしょうか?
(ヒトの腸、主に大腸には約1000種類、100兆個にも及ぶ腸内細菌が生息しています。)
以下の話しは科学的なエビデンス(証拠・根拠)はありません。
読書から得た情報と、それを実際に試してみた経験だけの話しです。
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まず、塩素(カルキ)抜きをしない水道水を、植物に与えても枯れることはありません。
これは皆さん、経験上ご存知のことでしょう。
植物が枯れてしまうほど塩素は危険ではないということですね。
では、微生物を接種した鉢に与えたらどうでしょうか?
(鉢の土には微生物や細菌、菌根菌が生息しています。)
可愛そうなので、この実験はしていません。が、
微生物資材のなかには「水道水を塩素(カルキ)抜きをした水」を推奨しているものもあります。
微生物が塩素に弱いのは確かなようです。
塩素は病原微生物だけをピンポイントで殺菌するのではなく、有用な微生物も殺菌してしまうと思います。
アメリカやヨーロッパの園芸愛好家の方はもうすでにこの重要性を認識しています。
特に、洋ランの栽培には、
「残留塩素を取り除くことなしに栽培の成功はあり得ない。」と断言しています。
洋ランも月下美人も、原産地はほぼ同じで、共に着生植物です。
同じ地域で、同じ環境で生き延びて繁栄しているのです。
ですので、月下美人にも「残留塩素を取り除くことなしに栽培の成功はあり得ない。」が当てはまるのではないでしょうか。
ここからは、科学的なエビデンス(証拠・根拠)がある話しになります。
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まず、厚生労働省が水質管理上留意すべき項目としている「水質管理目標設定項目と目標値(26項目)」において、
残留塩素は「1mg/L以下」
とされております。
その塩素(カルキ)の抜き方ですが、
水道水を、透明なペットボトルに汲んで、6時間以上日光に当てることです。
これで残留塩素は「0.01mg/L」となり除去されます。
これは塩素が紫外線により分解されるからです。
太陽光に当てて塩素を抜くのが一番確実な方法です。が、
太陽光に当てられない環境ではどうでしょうか?
24時間、室内で放置した場合は「0.29mg/L」となり半減ぐらいになります。
事情により太陽光に当てられないときは、汲み置きして24時間待ちましょうね。
この他に、レモンを絞って入れる方法もあります。
レモンに含まれるビタミンCには還元作用があるため、酸化作用のある残留塩素と反応して分解するみたいです。
1Lの水道水にレモンを2~3滴ほど加えるだけ!
これにより残留塩素がどのぐらい除去できるかのデータはありませんが、上記の24時間室内で汲み置きしたものにレモン水を入れると、さらに残留塩素が除去できるのではないでしょうか。
注意してくださいね!
塩素(カルキ)抜きした水道水は早めに使い切りましょう。
殺菌効果がなくなるので、放置しすぎると病原菌や腐敗菌などの悪玉菌の発生の恐れがあります。
追伸…
よく医○品や健○食品などの広告で「マウスの実験では… 効果が確かめられてます!」などと書かれています。
ここで注意してもらいたいのは、ヒトとマウスは違います。
マウスに効いても、ヒトに効くとは限りません。
同じように、ヒトに目立った害がないからといって、植物にも害はないとは言えません。
日本の水道水は「蛇口から出る水をそのまま飲める」という、世界的に見ても恵まれた環境にあります。
もちろん、それは日本の地形や自然がもたらしていることでもありますが、「水道法」によって厳しい管理をされていることも理由のひとつです。
そして、この「水道法」によって、水道水に塩素を入れることが定められているのです。
安全性が高い日本の水道水は、そのまま飲んでも健康上の問題はないとされていますが、植物や微生物にとっては無害とは言えないようです。
より健康的に植物や微生物を育てるためにも、水道水を塩素(カルキ)抜きしたものを与えましょうね。
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