月下美人の自生地は熱帯雨林のジャンルです。

熱帯雨林の土壌は、土の肥沃度としては、実はものすごく低い状態 にあります。

ですので深く根を伸ばしても栄養分が得られません。

熱帯雨林では、落ち葉や朽ちた枝、土壌微生物の遺体、小動物の排泄物などが、高温と多雨により短時間で分解されていきます。

その分解され無機成分となったものは、雨が降ると表土を流れます。

月下美人は、その表土を流れてきたものを、表土近くに張った根で吸収するのです。

いわば水耕栽培や養液栽培の環境に育つような状態になっています。

熱帯雨林で生育する植物の根は、あまり深くまで伸びる必要はなく、表層近くに植物体を支えるのに十分な範囲で根を張ります。

また熱帯雨林で生育する植物は成長が早く根の呼吸量も多いので、深植えにしてしまうと酸素不足になってしまいます。

酸素不足は根腐れの原因になります。

ですので熱帯雨林を自生地としている月下美人も浅植えが適しているのです。