今回は、「根腐れ」と「腸」と「用土」についてのとりとめのない話です。

まず根腐れの原因とそのわけですが、

水のやりすぎ

⇒根元に植物が吸い上げきれないほどの水が溜まり、根が呼吸できなくなって枯れてしまう。

根は水に溶け込んだ酸素よりも、土中の隙間にある酸素を吸うほうが、圧倒的に効率がイイのです。

ですので、根全部が常に水に濡れている状態だと、土中の隙間にある酸素を吸えず、酸欠状態になるのです。

肥料のやりすぎ

⇒植物の根と土中の肥料の間には浸透圧があります。

肥料を過剰に与えた場合、土の中の肥料の濃さを薄めようとする浸透圧の関係で根中の水分が土壌に流出し根がしなびてしまいます。

すなわち、根が水分を吸えないどころか、土壌に取られてしまい水分不足となるのです。

通気性や排水性の悪い土壌

⇒通気性が悪ければ根は呼吸できず酸欠状態になります。

排水性が悪く土に水が溜まってしまえば、これもまた根が酸欠状態になってしまいます。

嫌気性菌の増殖

⇒土中が酸素不足なると嫌気性菌が増殖して根っこを侵食し根腐れを引き起こします。

嫌気性菌は、通常どの土の中にもいるのですが酸素不足の状態を好んで増殖します。

しかしながら、嫌気性菌やウイルスがいたから根腐れになるわけではありません。

条件(環境悪化や免疫力低下)が揃ったときに嫌気性菌やウイルスが活性し増殖しているだけなのです。

土中には常在の病原菌(日和見菌)やウイルスはいます。

植物が元気のイイ状態なら免疫力が高いので、常在の病原菌(日和見菌)やウイルスをやっつけます。

しかし根が酸欠状態となり、植物の免疫力が低下することにより、常在の病原菌(日和見菌)やウイルスに負けてしまうのです。

微生物の少ない土壌

⇒土中の微生物は、役目を終えて枯渇した根を分解して植物の栄養分にしてくれます。

微生物が少なければ、枯渇した根は嫌気性菌の餌となって腐敗してしまいます。

<< 補 足 >>

人間の「腸」のお話しなんですが、

最近の研究では「脳」ではない「第2の脳」が人の行動をコントロールしているということがわかってきています。

この「第2の脳」というのが「腸」なのです。

「腸から脳へ」信号を送っていることも分かってきています。

卵子と精子が受精して最初にできる器官は「腸」なのです。

そして植物の発芽の時も先ず「根」が動き、地下へ伸び始めます。

「腸」と「根」は似た者同士かもしれません。

健康を維持したいなら「腸」にとって快適な生活をしなければなりません。

植物を元気よく育てたいならば「根」にとって快適な環境を提供してあげなければなりません。

ですので植替え時の用土の選択は極めて重要です。

月下美人の「根」にとって最適な用土とは、

◎通気性、排水性が良い

◎弱酸性

◎微生物がいる

これらが長続きすることも重要です。

意外にイケそうな用土として、

◎硬質赤玉土5:腐葉土5

◎ハイドロコーン5:腐葉土5

◎水苔のみ

◎市販の「洋ラン培養土」

などが月下美人と相性がイイと思われます。

挿し木の苗が成長したら、順次検証実験をしていきますね。