花芽分化とは

よく花芽が出てきたと喜んでみたものの、蕾にならず葉っぱになってしまった!という声を聞きます。
これは、葉になる芽(葉芽:はめ)と花になる芽(花芽:はなめ)とに分かれることで,花芽分化とも云います。

月下美人としては、成長しようか、それとも花を咲かせようかと判断している状態なのです。
ここで、花を咲かせる決断をしてもらうことにより、葉ではなく蕾となります。

月下美人を、この決断に導く方法として3つあります。

◎開花促進用肥料を与える。

花芽を作る時期にチッソ成分を多く与えると、花芽が葉芽になり葉が茂り、花が咲かなくなってしまいます。
チッソ成分を含まない肥料を与えることにより、成長を抑制させ開花を促進させることができます。


ハイポネックス 開花促進 
N:P:K = 0:6:4 (チッソ無配合)

まさにこれは、チッ素無配合の液肥です。
500倍希釈の液肥を水やり代わりに与えます。

◎水やりの頻度を少なくする

花芽分化期に水気が多いと花芽が付きにくい事があります。

必要以上の水が与えられると、植物はその水によって根が腐るのを防ぐため水分を早く蒸散させようとします。
それによって葉の数を増やす行動に出るのです。
花芽を作っている場合ではないので花芽になろうとしていた芽さえも葉芽に変化させてしまいます。

土は、むしろ乾き気味の方が花芽は付きやすいのです。

◎ほどよい太陽光を当てる。

極端な日照不足の場合も葉数を増やして光合成をうまくやる必要があるので花芽は二の次になります。
しかし、日に当たりすぎると葉芽に変わってしまうこともあります。
ここらへんの加減は、育てている環境により異なるので、一概にどれくらいとは言えませんが、極端な日照不足だけは避けるようにしましょう。

この3つのことを花期1ヶ月前から徐々に行っていきます。
花芽が出る前から、月下美人に花を咲かせる決断に追い込むのです。
すなわち花芽分化を促進させてあげるのです。

花芽が付いてから、これらのことを行っても遅すぎますよ。