「月下美人の花が咲きません!」
「花を咲かせるには、どうしたらイイのでしょうか?」
との問い合わせや質問が一番多いですね。
今回は、その問題に知識と経験、会員さんから得た情報の集大成からお答えします。
①株を充実させる。
株自体に体力やスタミナがなければ、花を咲かせることはできません。
開花には、とてつもないエネルギーを必要とするからです。
開花経験の無い若い株と開花実績のある株の充実のさせ方を解説します。
●開花経験の無い若い株の場合
株を大きき成長させることに専念します。
置き場所:
通年、日の当たり良い半日陰に置きます。
冬期間の温度を10℃~20℃を保てるなら成長し続けます。
8℃以下だと休眠するので成長はしません。
早く大きくして花を咲かせたい時は、冬期間も休眠させずに成長させることです。
施肥:
元肥や追肥共に固形肥料では「マグァンプK」を与えます。
施肥量は基準量の 1.5 ~ 2倍の量にすると成長が早まります。
※施肥は自己責任において実施してください。
関連記事:肥料:成分と与え方
●開花実績のある株
花期と成長期のメリハリをつけます。
置き場所:
開花経験の無い若い株の場合と同様です。
施肥:
元肥は固形肥料の「超リンカリ肥料」のようなチッ素未配合でリン酸やカリの多いものを与えます。
これのより通年、花芽分化が促進されます。
追肥は、
10月~4月は液肥「ハイポネックス原液」を1000倍希釈で与えます。
※20℃以上の日当たりの良い場所に置くことができるならば、成長促進用の肥料を与え成長を促します。
※8℃以下で越冬させる時は施肥しません。
5月~9月は液肥「ハイグレード開花促進」を500倍希釈で与えます。
月2回程は液肥「ハイポネックス原液」を1000倍希釈で与えます。
関連記事:肥料:開花促進剤
※葉に黄化症状(葉の緑色が淡くなり葉全体が黄化する)が現れれたら、液肥「ハイポネックス原液」を2000倍希釈で与えます。
※施肥は自己責任において実施してください。
②良好な陽当り
日光にしっかりとあたっていないと開花しづらくなり花も小さくなってしまいます。
しかし月下美人は「森林性サボテン」で、砂漠の中で育つサボテンではなく、ガンガンと強い日光を浴びるのは駄目です。
春から秋は戸外の半日陰で管理します。
夏は半日陰であっても葉焼けするので、夏は明るい日陰に移動させます。
●多少、葉っぱが黄色くなるくらいに強い日光を当てた方がいいです。
●半日陰になるように、木漏れ日の当たる場所が適しています。
●適した木漏れ日の場所がないならば、寒冷紗やヨシズで半日陰を作ってあげます。
関連記事:半日陰、木漏れ日
③危機感を与える
生き物は快適な環境に置かれて、それに慣れ親しむと生殖活動をしなくなるようです。
月下美人も快適な環境にしすぎると花が咲きづらくなります。
快適な環境すぎるときは、ちょっとした危機感を与えてみましょう。
●水やりを止める。
花期(5月~6月、9月~10月)の1ヶ月前あたりから水やりの間隔を長くしてり、水やりを止めて危機感を与えます。
月下美人はサボテン科の植物なので、1週間ぐらい水を与えなくても枯れることはありません。
●他の鉢を寄せ合い密集させる。
密集させることにより競争力が働き、成長や開花が促進されます。
葉と葉が触れ合うと刺激されるようです。
ただし、日当たりが極端に悪くなる密集はダメです、多少ゆとりを取りましょう。
●冬季間に休眠させる。
8℃以下で水を切って施肥もせず、しっかりと越冬休眠させる。
※「休眠させる」か「20℃以上を維持して成長させる」のどちらでも花期には開花します。
冬期間の置き場所の環境を考えて、休眠させるか、成長させるかを決めてください。
※現地の気象状況は雨季と乾季がありますが、最高気温(21℃~26℃)の変化が小さいので年中生育していると考えられます。
④定期的な手入れや世話
鉢植えの場合は2~3年での植え替えは必須です。
植替えを怠れば、株の成長が阻害されて花も咲きづらくなります。
また葉やシュートを伸ばし放題にさせると、花が咲き咲きづらくなります。
適切な剪定や切り戻しを行い開花に必要な栄養を株に集中させましょう。
古株を剪定でリフレッシュすることで開花が刺激されます。
大きな葉の先を摘心(ピッチ)して、子葉や孫葉を出させるようにします。
子葉や孫葉は花芽が付きやすいです。
関連記事:月下美人の摘心(ピンチ)
関連記事:育て方:シュートの剪定と挿し木
関連記事:育て方:植替え)前編 歌麿呂美人
まとめ
いかかでしたか。
月下美人も生き物ですので、
適切な環境下で、心の通った手入れや世話をしてあげれば必ず開花します。
「月下美人の育てるの難しい。」との迷信がまかり通っていますが、フツウの植物となんら変わりはありません。
日当り、水やり、施肥のポイントをしっかりと押さえて、毎年、純白大輪の花を咲かせてください。
この記事へのコメントはありません。