月下美人の自生地である熱帯雨林の土壌のお話しです。

熱帯雨林のイメージですが、

このようなものですよね。

とても温かく湿度も高く、そして緑豊かな肥沃なところと思われていますが、一つだけ誤解があります。

熱帯雨林の土壌は、土の肥沃度としては、実はものすごく低い状態にあり、比較的養分のある柔らかい表土はほんの数センチしかありません。

その下は岩盤や粘土質のかたい土に覆われています。

この理由は、高温と多雨で落葉や落枝、微生物の遺体、小動物の排泄物などの有機物の分解が早すぎるため、表土に溜めておくことができません。

「落葉や落枝、微生物の遺体、小動物の排泄物など量」< 「有機物の分解の速さ」なのでしょう。

雨が降れば地中に染み込んでしまいます。

そして地中の微生物や菌類のエサとなり無機質状態へとなります。

ですので地中には養分はないのです。

熱帯雨林の養分は土壌にではなく樹木や草木自体に蓄えられるのです。

ですので樹木や草木がよく育っているのです。

腐葉土とよばれるようなものは、表土の数センチメートルしかありません。

その下は岩盤や粘土質のかたい土に覆われているのです。

すべての熱帯雨林の土壌がこうではないですが、土を掘り起こすとすぐに赤っぽい褐色の土が出てくるそうです。

ですので、現生地に近い環境を鉢植えで再現するならば、

鉢の底から7割を赤玉土にして、その上に腐葉土を3割入れれば完成です。

そして月下美人を浅植えにします。

2種類の性質の違う土を分離して入れるのは、園芸界ではご法度ですが、近々に検証実験をやってみます。