月下美人の花の美しさをいつまでも鑑賞する方法として「アルコール漬け」があります。


写真提供:月下美人愛好会の会員さんより

しかし、長期間漬け込むと花びらが透明になってしまいます。

アルコールで漂白されてしまったのでしょうか?

それは…

白い花の花びらには、フラボンやフラボノールという色素が含まれています。

ただ、この色素は白色ではないのです。
無色透明のように見えるか、うすいクリーム色なのです。

それなのに白く見えるのは、花びらの中に空気の小さい泡が多く含まれているからです。

たとえば、飲み物のビールですが、注いだ時に出る泡は白色ですよね。
時間が経って泡が消えたら、ビールの色である琥珀色になります。

光は泡に反射すると白く見えるのです。
「白く見える」からといって白色の色素を含んでいるわけではないのです。

ですので、月下美人の花をアルコール漬けにすると、少しずつ花びらから空気の粒が抜けていき透明になってしまうのです。

透明な月下美人も、より神秘的で美しいですよね。