バーナリゼーション(vernalization)のお話からですが、

花芽が作られ始めるのは、1日の日照時間の変化だけではなく、温度も重要な役割を果たしています。

低温に数日~数週間遭遇することによって、常温に戻されたときに花芽を作るものがあります。
越冬して春に花をさかせるもので、代表的なものは桜やチューリップですね。
このような低温による花芽の誘導を「バーナリゼーション」または「春化(しゅんか)」といいます。

「バーナリゼーション」によって花を咲かせる植物は、通年ずっと暖かい状態にすると花を咲かせなくなることがあります。

これはクジャクサボテンによくみられます。

クジャクサボテンを越冬させるときは、5℃~10℃の室温で休眠させます。
すべてのクジャクサボテンではありませんが、寒さに当てて休眠させなければ花を咲かせないものがありますので注意が必要です。

月下美人には「バーナリゼーション」はあまり関係ないようです。
通年最低温度を20℃キープで育てていますが、毎年、春と秋に花を咲かせます。
これは月下美人の現生地の気候が一年中温暖だからです。

気候からみてみると、月下美人に最適なところは黄色で囲った地帯です。

たぶんここが現生地だと思います。
中米の気候情報(グアテマラ・ホンジュラス・メキシコユカタン半島周辺)ですが、

ベリーズシティが月下美人には最適な気象です。
常夏です、ハワイと同じ様な気温です。
ゆるやかな雨季と乾季もあります。

現地の月下美人は、雨季に成長して、乾季に花を咲かせるそうです。が、
ゆるやかな雨季と乾季ですので、通年咲ける環境にあるのは間違いないと思われます。

真冬でも25℃の室温で、よく日に当てていると開花するはずです。

『北海道の真冬に月下美人を咲かせるプロジェクト』をやってみますね!